会長挨拶

第60期会長就任にあたり

第60期会長 仲谷 善雄

このたび第60期会長を務めさせていただくことになりました。60年といえば人間にたとえれば還暦にあたり、非常におめでたい年です。また前任の西田正吾会長のもとで一般社団法人への移行を行った記念すべき年でもあります。この重要な年に会長を任されたということは、身に余る光栄であり、身の引き締まる思いでおります何卒よろしくお願いいたします。

私と本学会との出会いは、 学部卒で三菱電機(株)に入社して3年目のことだったと記憶しています。当時、今で言うマルチエージェントの枠組みに基づく避難行動シミュレータの研究に携わっており、その解説記事を当時の会誌「システムと制御」の「認知科学の工学へのインパクト」特集に寄稿したのです。私にとって初めての解説記事であり、他の解説記事を参考にしながら、上司により真っ赤に修正された原稿に青くなりながら苦労して書いたことを昨日のことのように覚えていますそのときの学会の印象は、制御から始まった学会でありながら、システム・情報の分野までカバーするよう自らを変革できる、懐の深い学会というものでしたこの印象は今でも変わっておりません。さまざまな専門分野でご活躍の研究者、技術者が大学や企業から一堂に集い自由間違に意見交換のできる風土は、私にとっては非常に好ましいものです。

西田前会長は、昨年7月号の「就任にあたり」の文章で、学会の重要な柱は「知的存在感」と「社会的責任」であると指摘されています。私も同感です。本学会において、これらの点はどうでしょうか。知的存在感については、これまでに、 制御からシステム、情報へと予備範囲を広げ、多くの若手研定者を育て、産業界と連携して教育(マルチメディアライブラリーなど)や技術の実用化に貢献してきたこと、さらには SSS (International Symposium on Stochastic Systems Theory and Its Applications) やISFA (International Symposium on Flexible Automation) といった国際会議の主催などが成果として挙げられます。これらの推進にあたっては、それぞれの国際会議の運営に携わってこられた会員のみなさまの多大な貢献があったことを改めてここに記して感謝を申し上げたいと思います。一方の社会的責任については今回の一般社団法人化が挙げられます。これにより、会計の透明化、知的財産の正当な管理、責任の所在の明確化などが達成され、社会的に信用ある存在として、今まで以上に高く認知されるものと期待されます。ただ、今回の熊本地震などの社会的緊急時にあたり、個々の会員はそれぞれの専門性に基づいた被災地貢献をされているかもしれませんが、学会としての貢献となると、さらに一歩進んだ姿勢が求められるのではないかと考えます。この意味では、東日本大震災を受けて立ち上げた災害対応システム調査研究交流会の活動は、ひとつの好例となるものであり、今後はこのような検討をベースとした具体的な発言や提言、行動が学会に求められるのではないでしょうか

去る5月には、一般社団法人として初めての総会が開催され、新制度のもとでの役員の選出、事業計画、収支予算が審議され議決されました。 一般社団法人としての活動がようやく本格的に始まったといえます。本来であれば、5月の総会時に学会60周年記念行事を行うべきであったかもしれませんが、理事会としてはまずは一般社団法人化を成し遂げたいという気持ちが強くありました。そのため、学会60周年記念行事は次回の総会での実施を計画しています。今後の1年間、理事、監事、事務局などと協力しながら、一般社団法人としての活動を進めてまいる所存ですので、会員のみなさまにおかれましでも積極的なご支援、ご協力をお願い申し上げます。

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